エコキュートが本当に省エネなのか気になる方へ
2024年1月10日
エコキュートは省エネであるといわれていますが、本当に省エネなのか気になる方もいるのではないでしょうか。
ここでは、エコキュートが本当に省エネなのか気になる方へ、エコキュートとガス給湯器の光熱費の比較、エコキュートと電気温水器の電気代の比較、エコキュートの光熱費が安い理由、エコキュートの電気代を安くするためのポイント、エコキュートの省エネ機能についてご紹介します。
なお、ここでご紹介するエコキュートの電気代は基本的に目安であり、実際には地域やお湯の使用量などによって違います。
Contents
エコキュートの省エネ機能
ここでは、エコキュートの省エネ機能についてご紹介します。
三菱のエコキュートの省エネ機能
三菱のエコキュートの省エネ機能としては、「かしこいわき上げモード」があります。三菱のエコキュートの「かしこいわき上げモード」は、それぞれの家庭のお湯の使い方を学習し、自動でライフスタイルに応じた沸き上げを行ってくれるものです。
「かしこいわき上げモード」は、次のような特徴があります。
お湯の過去2週間の使用状況を学習する
お湯の過去2週間の平均の使用量を学習して、夜間の沸き上げを行います。また、お湯が足りないことが見込まれるときは、昼間に沸き増しを行います。夜間と昼間の組み合わせによって、効率が最もいい沸き上げを行います。
集中的にお湯の使用量を学習する
一日のうちで、お湯を集中的に使うときは、そのお湯の使用量を学習して、使用状況に応じて沸き増しを行います。
湯切れ防止のために沸き増しする
最低の貯湯量以下になれば、湯切れ防止のために沸き増しを行います。
お湯を使うたびに沸き増しする
設定した当日の昼間は、お湯を使うたびに沸き増しを行います。賢くこのような機能を活用することによって、省エネを上手く実現することができます。
パナソニックのエコキュートの省エネ機能
パナソニックのエコキュートの省エネ機能としては、「AIエコナビ」があります。「AIエコナビ」は、パナソニックのフルオートタイプのエコキュートに搭載されているもので、ユーザーの使い方に応じて保温を効率的に行うことによって、省エネ性が高いものです。
例えば、子どもと母親が入浴した後、この2時間後に帰宅した父親が入浴するとします。このときに「AIエコナビ」を使っていなければ、15分ごとにお風呂のお湯の温度をエコキュートがチェックして、保温するために自動で加熱を繰り返します。
さらに、お湯の温度をチェックするときに、冷たい水がふろ循環アダプターから入ることによってお風呂のお湯の温度が下がるため、加熱を無駄に行うようになります。
つまり、お風呂に誰も入っていない2時間の間にお湯の温度を無駄にチェックするため、8回も加熱が行われるようになります。これがどの程度無駄な運転かについて、具体例についてご紹介します。
ここでは、お風呂からエコキュートまでが6mと想定して、お風呂のお湯を保温するときのエネルギーを検討してみます。まず、お風呂の保温の仕組みについてご紹介します。
お風呂の保温には、配管が2本必要です。貯湯タンクユニットからお湯が出る往きの配管と、お風呂のお湯を貯湯タンクユニットに戻す戻りの配管です。お風呂のお湯が戻りの配管を通って貯湯タンクユニットに戻ってお湯の温度をチェックし、これに応じて調整された温度のお湯がお風呂に往きの配管を通って入ります。
保温の仕組みは、このようにお湯を循環しながら、お風呂のお湯を設定温度に維持するものです。例えば、往きと戻りの配管が外径21.7mmのサイズの15Aの配管とすると、6mの配管の中には1.2Lくらい(1mあたり0.2Lくらい)の水が入っています。
そのため、お風呂のお湯の温度をチェックするために配管の中の水を循環すると、お風呂に1.2Lの水が入ります。当然ですが、お風呂のお湯の温度は低くなります。
40℃のお湯が180Lの浴槽に入っていると想定すると、1.2Lの水が入ることによってお風呂のお湯の温度は39.8℃まで低くなります。さらに、戻りの配管の中の1.2Lの水が貯湯タンクユニットの中に入ることによって、中のお湯の温度も低くなります。
そのため、お湯の温度をチェックするために2.4L分の水を循環し、全体のお湯の温度が低くなります。40℃までお湯の温度を高くするためには、55℃の2.4Lくらいのお湯が必要になります。
お風呂のお湯の温度をチェックするためにお風呂のお湯の温度が低くなり、お湯を沸かすエネルギーがさらに必要になります。
一方、「AIエコナビ」を使うと、人が浴室にいないときはお湯の温度のチェックの回数を少なくして保温のために加熱する間隔を長くします。このようにして、無駄な自動保温のためのエネルギー消費を少なくすることによって、省エネ性が最大35%くらいアップします。
なお、条件としては、冬のシーズンを想定し、7℃の外気温度、9℃の給水温度、180Lのお風呂の湯はり量、42℃のお風呂の湯はり温度、追いだき配管は直径13mmの10mの樹脂管、10mmの断熱材、75℃の貯湯タンクの温度、蓋ありの高断熱浴槽(パナソニック試験設備)で、お風呂の湯はりが完了した後から2時間保温中の消費エネルギーを比較したものです。
「AIエコナビ」を実現させる機能としては、次のようなものがあります。
ひとセンサー
「AIエコナビ」が搭載されているエコキュートは、人(発熱体)の動きなどから、人が浴室内にいることを検知するひとセンサーがが搭載されています。ひとセンサーを搭載したエコキュートは、業界で初めてです。このひとセンサーは、人が浴室内に入ると作動します。お風呂のお湯をすぐに設定温度まで加熱するため、入浴が快適になります。
さらに、人が浴室内にいる間は、お湯の温度を15分間ごとに自動でチェックして設定温度を維持します。また、人が浴室から出て5分間くらい経つと、人がいないと判断します。自動的にリモコン画面の表示部を消灯します。人が浴室にいないときは、長い保温間隔にして、無駄なエネルギー消費を抑えます。
湯温学習制御
湯温学習制御は、お風呂のお湯の冷め方をAIが学習するものです。最初のお風呂の湯はりから15分間経った後のお湯の温度低下を記憶して、ここからお湯の温度が1℃低くなるまでの時間を計算します。
さらに、人がいないときの追いだき時も、情報を都度更新します。このようにして、少しずつお風呂の利用パターンを学習することによって、それぞれの家庭に最も適した時期にお湯の温度のチェックと保温のための加熱を行うことができます。
ひとセンサーと湯温学習制御によって、最小限に自動保温時の循環や追いだきの回数を抑えることで、省エネ性がアップします。
エコキュートとガス給湯器の光熱費の比較
エコキュートの光熱費がどのくらいになるかを把握するためには、メーカーのホームページをチェックする方法があります。
例えば、家電メーカーの大手のパナソニックは、エコキュートでもトップクラスのシェアですが、エコキュートとガス給湯器を比較したコストシミュレーションをホームページに公開しています。
パナソニックのホームページによると、中部電力エリアの居住地でエコキュートの平均の電気代が1月あたり2000円くらいです。
一方、都市ガスのガス給湯器の平均のガス代が5600円くらいで、プロパンガスのガス給湯器がこれよりも高くなります。また、エコキュートのメーカーのダイキンのホームページでは、エコキュートは都市ガスのガス給湯器との比較で70%くらい光熱費が低減できるとなっています。
このようなことから、エコキュートの光熱費が非常に安いことがわかるでしょう。
エコキュートと電気温水器の電気代の比較
電気温水器は、お湯を電気ヒーターで沸かす給湯器です。
一方、エコキュートは、お湯を電気で沸かすということでは同じですが、電気代は電気温水器よりも相当安くなります。というのは、お湯を沸かす仕組みが違うためです。
しかし、エコキュートの本体価格は、電気温水器と比較すると高くなります。エコキュートの本体価格は、メーカーなどによっても違うために一律ではありませんが、電気温水器の2倍くらいになります。
長期的なランニングコストを考慮すると、エコキュートの方が電気温水器よりもお得でしょう。
例えば、中部電力エリアに住んだときを想定したパナソニックのシミュレーションによると、電気温水器の平均の電気代が1月あたり8300円くらいですが、エコキュートの平均の電気代が1月あたり2000円くらいです。エコキュートは、年間の電気代が電気温水器よりも7万円以上安くなるため、相当お得です。
エコキュートの光熱費が安い理由
ガス給湯器や電気温水器などと比較して、エコキュートの光熱費が安いのは、お湯を沸かす仕組みが違うためです。
例えば、電気温水器は電気ヒーターで水を直接温めてお湯を沸かしますが、エコキュートは気体の圧力が高くなると温度が高くなり、圧力が低くなると温度が低くなるという性質を利用したヒートポンプの技術でお湯を沸かします。
また、大気中の熱エネルギーを効率良く利用してお湯を沸かすためには冷媒が必要ですが、エコキュートは二酸化炭素を冷媒として使っています。二酸化炭素は、自然界にあるもので、メリットとしては効率が優れており、環境に対しても優しいということがあります。
さらに、エコキュートは効率がいいために、使う電気エネルギーに対して熱エネルギーを3倍も生み出すことができます。そのため、大幅に電力消費を抑えることができ、エコキュートの電気代も安くなります。
エコキュートは、電気料金の安い深夜時間帯にお湯を沸かして、貯めておくようになります。そのため、エコキュートはさらに電気代が安くなります。
エコキュートの電気代を安くするためのポイント
エコキュートに交換したにも関わらず、電気代がそれほど安くならないと思っている方もいるのではないでしょうか。エコキュートに交換しても使い方を間違えたりすると、電気代がそれほど安くならないことがあります。
ここでは、エコキュートの電気代を安くするためのポイントについてご紹介します。
湯切れを発生させない
エコキュートは、必要な量のお湯を夜間の安い電気料金の電気で沸かして貯湯タンクユニットの中に貯めておいて、このお湯を次の日に使います。お湯が途中で足りなくなっても、昼間に沸き増しをするとお湯をまた使うことができます。
しかし、お湯を昼間に沸き増しをすると、高い電気料金の電気を使うために電気代が高くなります。そのため、沸き増しをしないように、夜間の沸き上げの設定やお湯の使い方を変えるなどしましょう。
夜間の時間帯以外に沸き増しをしない
エコキュートに交換すると、一般的に深夜時間の電気料金が安いプランに入ります。一般的に、電気料金は、23時~翌朝の7時の時間帯が最も安く、10時~17時の時間帯が夜間の2倍くらいになります。エコキュートの電気代は、最も電気料金が安い深夜時間帯の電気を使うことでシミュレーションを行ないます。
そのため、これ以外の時間帯にエコキュートの沸き上げを行なうと、どんどんシミュレーションの結果からかけ離れて、電気代が高くなります。お湯を昼間の時間帯に沸かさなくても済むように、夜間の沸き上げ量を多くしたり、使うお湯の量を少なくしたりするなどしましょう。
設定をシーズンによって変える
リモコンで、エコキュートの夜間の沸き上げ湯量を設定することができます。お湯を使う量は、夏のシーズンと冬のシーズンでは違います。夏のシーズンはお湯が余りがちになるために沸き上げの量を少なくして、冬のシーズンはお湯の使用量が多いために満タン近くまで毎日お湯を沸き上げするように設定すると、電気代をより安くすることができます。
毎日のお湯の使用量はリモコンでチェックできるため、お湯が余っているときは設定を見直ししてみましょう。
年間給湯保温効率の高いエコキュートを選ぶ
エコキュートの省エネ性能は、年間給湯保温効率で表示されます。年間給湯保温効率が高いほど、省エネになるため、毎月の電気代が安くなります。
エコキュートを交換するときに年間給湯保温効率の高い商品が安く入手できるのであれば、検討してみましょう。
追いだき、自動保温を使わない
エコキュートのフルオートタイプは、お風呂の湯はりの後の自動保温の機能が搭載されています。自動保温の機能は、一定の温度にお湯を維持してくれるために非常に便利なものですが、貯湯タンクユニットの中のお湯の温度が低くなります。
また、お風呂のぬるいお湯を温め直すときは、追いだきするよりも少しお風呂のお湯を抜いて高温足し湯の機能を使う方が電気代が安くなります。追いだきや自動保温を使わないようにすると、エコキュートの電気代が安くなります。
まとめ
ここでは、エコキュートが本当に省エネなのか気になる方へ、エコキュートとガス給湯器の光熱費の比較、エコキュートと電気温水器の電気代の比較、エコキュートの光熱費が安い理由、エコキュートの電気代を安くするためのポイント、エコキュートの省エネ機能についてご紹介しました。
エコキュートが本当に省エネなのか気になる方は、ぜひ参考にしてください。
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