エコキュートの仕組みが気になる方へ
2023年12月28日
給湯器をネットなどで探すときは、エコキュートが必ずヒットするでしょう。しかし、エコキュートは、実際にどのような仕組みかよくわからない方もいるのではないでしょうか。
ここでは、エコキュートの仕組みが気になる方へ、エコキュートとは?エコキュートの仕組み、エコキュートの追いだき、自動保温、風呂自動、床暖房の仕組み、ガス給湯器とエコキュートの仕組みの違いについてご紹介します。
Contents
エコキュートの仕組み
ここでは、エコキュートの仕組みについてご紹介します。
エコキュートは、ヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットがあります。エコキュートは、ヒートポンプユニットと貯湯タンクユニットが機能することによって、お湯を効率良く安く沸かすことができます。
ヒートポンプユニットの仕組み
ヒートポンプユニットは、大気中の熱エネルギーを利用してお湯を沸かすものです。ヒートポンプユニットのヒートの意味は熱ということで、ポンプの意味は圧力を加えて気体や液体を運ぶということです。
ヒートポンプユニットの仕組みは、次のようなものです。
1.大気中から熱エネルギーを取り込む
大気中から空気熱交換器を通して、二酸化炭素の自然冷媒に熱エネルギーを取り込みます。
2.二酸化炭素の自然冷媒を圧縮して温度を高くする
大気中の熱エネルギーを取り込んだ二酸化炭素の自然冷媒をコンプレッサーで圧縮して、さらに温度を高くして超臨界流体にします。
3.二酸化炭素の自然冷媒の熱を水に伝えてお湯を沸かす
温度が高い超臨界流体になった二酸化炭素の自然冷媒の熱を、水熱交換器で水に伝えてお湯を沸かします。
4.貯湯タンクユニットに沸かしたお湯を貯める
沸かしたお湯は、貯湯タンクユニットに貯めます。
5.二酸化炭素の自然冷媒を膨張して温度を低くする
水に熱を伝えた二酸化炭素の自然冷媒を膨張弁に送って、圧力と温度を低くします。
6.再度、大気中の熱エネルギーを取り込む
圧力と温度が低くなった二酸化炭素の自然冷媒は、再度、大気中の熱エネルギーを取り込んで同じようなサイクルを繰り返します。このように、①~⑥を繰り返すことによって、貯湯タンクユニットの中にお湯が貯まってきます。
貯湯タンクユニットの仕組み
貯湯タンクユニットは、ヒートポンプユニットで沸かしたお湯を貯めておくものです。貯湯タンクユニットの仕組みは、次のようなものです。
1.水道水を給水する
エコキュートは、水道水が給水用のバルブを通って、貯湯タンクユニットの中に貯まるようになっています。貯湯タンクユニットの下側に、給水用のバルブはあります。
また、エコキュートは、温かいお湯と冷たい水が同じ貯湯タンクユニットの中に貯まりますが、このお湯と水は混じらないようになっています
2.熱を受け取る
貯湯タンクユニットの中に貯まっている水は、ヒートポンプユニットの水熱交換器に送られ、温度が高くなって超臨界流体になった二酸化炭素の自然冷媒から熱を受け取ります。
このとき、ヒートポンプユニットの水熱交換器では、お湯が1分間あたり1L〜2Lくらい沸きます。また、お湯の温度は最大90℃くらいになります。
3.貯湯タンクユニットにお湯が戻る
水熱交換器で沸かしたお湯は、貯湯タンクユニットに戻ります。このときは、冷たい水とお湯が混じらないように、貯湯タンクユニットの上部からお湯を貯めます。
4.お湯を台所などに供給する
貯湯タンクユニットの中に90℃くらいのお湯が貯まると、お湯を台所などに供給することができます。なお、貯湯タンクユニットの中のお湯をそのまま供給すると温度が高いため、水道水を混合弁で混ぜて適した温度にしてから供給します。。
エコキュートの追いだき、自動保温、風呂自動、床暖房の仕組み
ここでは、エコキュートの追いだき、自動保温、風呂自動、床暖房の仕組みについてご紹介します。
エコキュートの追いだきの仕組み
エコキュートの追いだきは、お風呂のお湯を増やさないで温め直すことができるものです。基本的に、追いだきは、お風呂のお湯を貯湯タンクユニットの中の配管に循環することによって温め直します。
貯湯タンクユニットの中には、熱いお湯が貯まっています。貯湯タンクユニットの中の配管にぬるくなったお風呂のお湯を循環し、熱を熱いお湯からもらうことによって温め直します。
エコキュートの自動保温の仕組み
エコキュートの自動保温は、自動追いだきともいわれます。というのは、エコキュートの自動保温は、お風呂のお湯の温度が低くならないように追いだきを自動的に続けるものであるためです。
なお、追いだきと同じようなものとしては、高温差し湯(足し湯)があります。高温差し湯(足し湯)は、ぬるくなったお風呂のお湯を貯湯タンクユニットの中の配管に循環して温め直すものではなく、貯湯タンクユニットの中の熱いお湯を直接お風呂に足すことによって温め直すものです。
エコキュートの風呂自動の仕組み
エコキュートのフルオートタイプは、水位センサーが搭載されています。水位センサーは、水圧を測るダイヤフラムを利用して水位を測るものです。お湯がお風呂に溜まると水圧が変わるため、これを水位センサーが検知してお風呂の水位を測ります。
風呂自動は、水位センサーの情報を検知して、次のような仕組みになっています。
2.お風呂のお湯が溜まるほど水位センサーの圧力が高くなってお湯を送るのを止める
エコキュートの床暖房の仕組み
エコキュートの床暖房は、床暖房を使いたい場所に床暖房パネルを設置し、温水を流すことによって部屋を暖めるものです。なお、エコキュートの床暖房は、深夜に沸かしたお湯を利用するため、お湯が無くなると使うことができません。
そのため、エコキュートの床暖房は、ある程度暖められる面積が限定されます。なお、オール電化住宅のときは、エコキュートの床暖房以外に、ヒートポンプ式の床暖房を利用することもできます。
ヒートポンプ式の床暖房であれば、湯切れが発生することがなく、好きなだけいつでも使うことができます。
ガス給湯器とエコキュートの仕組みの違い
エコキュートの交換を検討しているが、いまいちガス給湯器との仕組みの違いがよくわからないような方もいるでしょう。ここでは、ガス給湯器とエコキュートの仕組みの違いについてご紹介します。
お湯を沸かす仕組みの違い
ここでは、エコキュートとガス給湯器のお湯を沸かす仕組みの違いについてご紹介します。ガス給湯器は、燃料としてガスを使ってお湯を沸かす給湯器です。
ガスを燃焼することによってガス給湯器の金属の配管が加熱されると、配管の中を通る水がお湯になります。
一方、エコキュートは、ヒートポンプユニットによって大気中の熱エネルギーを利用してお湯を沸かします。エコキュートは、ヒートポンプユニットなどを運転するときに電気を使います。
ヒートポンプユニットで沸かしたお湯は貯湯タンクユニットの中に貯めておいて、必要なときに台所などに供給するようになっています。同じようにお湯を電気で沸かす電気温水器に比較して、エコキュートはより少ない電気エネルギーで同じ量のお湯を沸かすことができます。
このように、お湯を沸かす仕組みについては、ガス給湯器と比較してエコキュートは次のような特徴があります。
瞬間タイプではなくて貯湯タイプである
お湯を少ない電気エネルギーで沸かす
なお、エコキュートは、仕組み上、湯切れが発生することがあるために注意しましょう。
寿命の目安の違い
ガス給湯器とエコキュートの寿命の目安の違いは、次のようになります。
エコキュートの寿命の目安は10年間~15年間くらい
このように、エコキュートの寿命の目安はガス給湯器と同等以上になります。
なお、設置環境や使い方などによっては、微妙にエコキュートの寿命の目安が違うことがあります。また、エコキュートが数年で壊れると、ガス給湯器と比較したイニシャルコストの違いが回収できないこともあるために注意しましょう。
エコキュートは、トラブルが発生するような使い方を避けて、お手入れを定期的に行うことが大切です。
省エネ性の違い
ガス給湯器とエコキュートは、省エネ性も違います。ガス給湯器は、ガスを使うため、環境負荷がその分かかります。
一方、エコキュートは、環境により優しいオール電化住宅でも使うことができます。また、同じお湯の量を沸かすためのエネルギーにおいても、エコキュートの方が少なくなります。
エコキュートの省エネ性は、機種によっても違いますが、年間給湯保温効率が3.5〜4.2くらいのものも多くあります。また、ガス給湯器の毎月の光熱費は7,000円〜8,000円くらいですが、エコキュートの毎月の光熱費は2,000円〜3,000円くらいになります。
このように、エコキュートは、省エネ性においても大きなメリットがあり、給湯器を変えて省エネを実現したいときにはおすすめです。
エコキュートとは?
エコキュートの正式な名称は、自然冷媒(CO2)ヒートポンプ給湯機です。エコキュートは、大気中の熱エネルギーを冷媒に取り込んで、冷媒を圧縮して温度を高くして、水に熱を伝えてお湯を沸かすものです。
なお、エコキュートの冷媒には二酸化炭素を使っています。エコキュートは、簡単にいうと、大気中の熱エネルギーを利用してお湯を沸かす給湯器です。
では、冷媒とはどのようなものでしょうか?
冷媒というのは、冷蔵庫やエアコンなどにも採用されているものです。冷媒は、圧力によって気体になったり、液体になったりして、状態が変わります。冷媒は、エコキュートのヒートポンプユニットの管の中を循環して熱を移動させます。
では、冷媒はどのような特徴があるのでしょうか?冷媒の特徴は、圧力を加えると状態が変わるということです。冷媒は、エコキュートの中で、圧力によって液体→気体→超臨界流体へと状態が変わります。冷媒は、コンプレッサー(圧縮機)で圧力を高くすると、液体→気体→超臨界流体になります。
逆に、冷媒は膨張弁で圧力を低くすると、液体(気体も若干ある)になります。このように、冷媒は、圧力を高くすると液体→気体→超臨界流体に変わり、圧力を低くすると超臨界流体→気体→液体に変わります。
エコキュートは、冷媒の性質を利用して熱を移動させています。なお、超臨界流体というのは、気体と液体が区別できない状態です。冷媒は、圧力を高くすると超臨界流体になります。超臨界流体になれば、熱伝導率が高くなります。
エコキュートは、冷媒を超臨界流体に変えることによって、電気温水器の1/3くらいの電力消費になります。
冷媒としては、大きく分類すると、フロンガスとノンフロンガスがあります。フロンガスというのは、ハロゲンの炭素、水素、フッ素、塩素、臭素などが多く含まれている人工的な冷媒です。フロンガスは、使い勝手が非常にいいものです。
しかし、フロンガスはオゾン層を壊すため、現在では使わなくなっています。
一方、ノンフロンガスというのは、自然界にあるガスで、全くフロンガス成分を使わないものです。ノンフロンガスは、自然冷媒ともいわれています。
では、自然冷媒とはどのようなものでしょうか?
自然冷媒というのは、環境に対して悪い影響を与えない二酸化炭素などです。自然冷媒としては、二酸化炭素以外にも、アンモニア、プロパン、イソブタンなどがあります。エコキュートは、冷媒として二酸化炭素を使っています。二酸化炭素は、31℃、大気圧の約73倍の7.38MPaで臨界点に達します。二酸化炭素は、臨界点をオーバーすると超臨界流体になり、熱を最も効率良く伝える状態に変わります。
また、エコキュートで使っている二酸化炭素は、新しく作ったものではなく、工場の副産物の二酸化炭素を再利用しています。
まとめ
ここでは、エコキュートの仕組みが気になる方へ、エコキュートとは?エコキュートの仕組み、エコキュートの追いだき、自動保温、風呂自動、床暖房の仕組み、ガス給湯器とエコキュートの仕組みの違いについてご紹介しました。
エコキュートは、大気中の熱エネルギーを二酸化炭素の自然冷媒に取り込んで、二酸化炭素の自然冷媒を圧縮して温度を高くして、水に熱を伝えてお湯を沸かすものです。
エコキュートの仕組みが気になる方は、業者に直接聞いてみるのもおすすめです。
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